ガレンジャーは画像掲示板戦国時代に誕生した
ガレンジャー誕生前夜
憧れの掲示板は”がむしゃら”
2007年、ネット上には様々な巨大掲示板があった。
ネット掲示板では2ちゃんねるひとり勝ち状態だが、なんとか風穴を開けようとしていた。
今思い出すだけで、ふたばちゃんねる、がちゃんねる、がむしゃら、明和水産、ハリコの虎。
文字しか書き込めなかった2ちゃんねるの上位互換ということで画像の貼れる画像掲示板が乱立していた。
その画像掲示板もほとんどふたばが覇権を握っていたが、どうしてもあの仕様が好きになれなかった。
そんな時にあったのががむしゃらだった。
他にはない、スレタイ画像をアルバム形式で一覧で表示するデザインが美しかった。
人が多過ぎず少なすぎず、スレの流れが早すぎない適度な書き込み量がある掲示板。
こんな掲示板を作りたい!
そう思ったのが始まりだった。
知識0から画像掲示板を立ち上げる
ところが当時はプログラムの知識が全くなかった。
Q「これどうやって作るの?」
A「フリーソフトがあるんだ」
Q「ドメインてどうやって取るんだ?」
A「あ、お名前.comで取るのか、なるほど」
Q「掲示板を作ってドメインと紐付けするってできるのか?」
A「DNS……?ま、なんとかなるだろ」
一番迷ったのがレンタルサーバー。
いっぱりあるけどどこの会社がいい?
プランも松竹梅みたいにいろいろあるけど、どれぐらいがいいんだ?
わからん、まったくわからん!
そして
Q「どこのサーバーもアダルトサイトは禁止」
ワイ「よし、アダルトはやめよう」
とりあえずやってみるか、ダメならダメでええやん!
と言いたいところだが、じつはこの時ワイはカードローンで300万円ほどの借金があった。
この頃の年利は29%。
計算上は毎月の利息は7.5万だが、実際の体感としては毎月50万ぐらい払っている感覚だ。
というのはカードの支払い30万を払おうと思ったらどこからか30万円プラスアルファを借りてこないといけない。
とにかく毎月が自転車操業状態だ。
しかし考えてもしょうがない。
えいやっーで掲示板を作ることにした。
とにかくデザインだけはかっこよくしようと思った。
ロゴはもちろんサイトデザインはそこそこ凝ったつもりだ。
名前は何でもよかったが、画像掲示板だからという理由でガレンジャー(画レンジャー)にした。
目標にした掲示板は“風呂屋の番台”
がむしゃらに憧れたが、作ろうと思ったのはがむしゃらじゃなかった。
作りたかった目標の掲示板は風呂屋の番台だった。
風呂屋の番台とは
板が一つしかなく、書き込める記事数も決して多くない。
その割に人口密度が高いからスレがすぐに流れてしまう。
じっくり議論するんじゃなくて、暇な時にぶらっと立ち寄り、目についたスレで雑談して、時間が来たら出ていく(落ちる)。
そんな感じの掲示板だった。
店に例えると、どちらも行列のできる繁盛店だが、がむしゃらは郊外大型店。風呂屋の番台はカウンター数席しかない小さな店舗。
そんな感じだった。
決めた、風呂屋の番台をコピる!
たらい回しにしないサイト
目的のエロ画像エロ動画のタイトルやキャッチコピーをクリックしてもなかなか目的のものに辿り着かない。
何度も何度もアンテナサイトに飛ばされてたらい回しにされる。
時間がかかっても目的のファイルに辿り着けばまだいいが、最終的には全然違う有料サイトに飛ばされてしまうこともあった。
今でもそういうサイトが多いのは、人はそうまでしてもエロが見たいからだ。
だがオレはそれが耐えられなかった。
ひと目で目的の画像を見つけ、すぐにダウンロードできる。
長年そんなサイトをさがしていたが見つからなかった。
無ければ自分で作ればいい!
人がエロ画像を貼ってそれをオレがそのままゲットする。
これだ!
そしてこのシステムは絶対受け入れられるはずだ!
開設したら絶対にすぐに話題になってアクセスは爆上げするはずだ。
とにかく形はできた。
掲示板のスクリプトは風呂屋の番台はふたばと同じものを使っていたので、フリーでダウンロードできた。
サーバーはさくらサーバーにした。
アダルト禁止よりも問題なのはサーバーの転送量だった。
月500円のプランで画像掲示板が動かせるのか?
それが一番心配だった。
ガレンジャー始動!
掲示板は永久機関
開設して最初にやったことは先行している画像掲示板やサイトに片っ端から相互リンクを申し込んでいった。
パッと思い出すだけで、明和水産、ハリコの虎、秘密基地、しゃんばら、わりと快くみんなリンクを貼ってくれた。
全然書き込みがない
当初はCGIでカウンターつけたけど初日は1日10人ぐらいだった。
少しずつ増えていったが書き込みはなかった。
そもそもなんで掲示板を開設したかというと、理由は二つある。
ブログだと毎日更新してたら、いずれネタ切れになる。
掲示板だったら他人が勝手に書き込んでくれて、自動で更新されていく。
これこそ永久機関だった。
ガレンジャーのルール=管理人は神!
掲示板運営で自分に課したルールが「管理人は神でいるべし」だった。
「神様だから偉い」「神様だから何をしてもいい」ということではない。
神様は人間の前には決して姿を見せない、自分の作った世界を天から見ているだけだ。だが全てが見えている。
同じように、管理人の名で掲示板に書き込むことは絶対しないし、問い合わせにも応じない。
しかしたとえ名無しでも誰がどんな書き込みをしてるか見えている。
とにかく掲示板利用者の前には絶対に現れないというルールを自分に課した。
これはとにかく正解だった。
他の掲示板でもルール(アダルトはどこまで貼っていいのか、とか)に関して管理人が掲示板に降臨して応じると、ますます荒れるというのを見てきたからだ。
ダメなものは無言で削除。荒らしは無言でアク禁とした。
目指せアフィリエイト生活!
掲示板+アフィリエイトは永久機関の錬金術
ガレンジャーを開いてから1ヶ月ぐらいしてからようやく画像が貼られるようになってきた。
毎日2枚だけ貼っていってくれる人だった。
よかった、とりあえず当初の目的であった自動更新が始まった。
オレにはこの人こそ神に見えた。
ガレンジャーを開設した目的は掲示板の管理人をやってみたいという憧れもあったが、やっぱり一番の目的は金だ。
働かないでサイトから得られる広告収入で生活することが最終目標だ。
そして先にも書いたが、ブログと違い自動で更新されるのだから、理想通りにいけば本当に働かなくてもお金が口座に振り込まれてくる!
そう思った。
Googleアドの審査に通り、DTIの審査に落ちる
掲示板が動き出したので広告バナーを貼ろうとあちこちの広告サイトに登録した。
そして何も考えず、ガレンジャーに最初に貼ったの広告はGoogleアドセンスとA8だった。
よく最初の審査が通ったともうかもしれないが、申し込んだらどちらもあっさり審査が通った。
まだまだ緩い時代だった。
しかし1週間もしないうちにどちらからも警告が来た。
「1週間以内に削除してください」
今なら警告なしで一発バンだろう。
だが本当に緩い時代だった。
それでも無視してバナーを貼りっぱなしにしていたら、どちらも配信停止にされた。
この時点でGoogleアドセンスは数クリックで数十円程度、A8は0円。
配信停止されても痛くも痒くもないと思っていた。
今なら垢バンで一生Googleアカウントが作れないところだが、この頃は何も知らないが故の怖いもの知らずだった。
逆に審査が通らなかったサイトもある。
DTIだ(大爆
Googleが通ってDTIが不可って、ウソみたいな話だが本当だ。
申請したのは開設3日目ぐらいだったかな。
理由は「まだまだしょぼい」サイトだから。
1ヶ月経った頃、申請したら2度目は通ったが。
早速バナー貼ったが、これも全く何も売れなかった。
とにかくアフィリエイトで生活するにはまだまだ遠い夢だった。
(つづく)